先日、『Mr,&Mrsスミス』を観に行った時に『キング・コング』予告編を観て
その面白さに、
年末の一番忙しい時にうっかり本編も観に行って参りました。
予告編と言うのはいかに観客の目を短時間で奪えるか?と
本編中の一番、刺激的でわくわくさせる場面を選んで
力入れて編集してあるんですが、
本編はその予告編をはるかに上回る面白さ!
さすが、ピーター・ジャクソン。だてにアカデミー監督賞獲ってないぞ。
(彼はロード・オブ・ザ・リングシリーズの監督。)
あ、恐竜好き、蟲好きさんには絶対ぜ~ったいお勧めの映画。
・・・この点もピーター&WETAチーム、今回も裏切らなかったです。
シェロブ場面と同じで好きなのは分かるけど長過ぎ・・・。
主演はナオミ・ワッツ。
駆け出しのボードビル女優アン・ダロウ役でとにかく大熱演。
二コール・キッドマンに似たいわゆる金髪碧眼美人なんですが
登場時は個性が感じられず、何故彼女が主演なのか私、疑問視。
でも彼女のこの個性のない、存在感の弱さが逆にこの映画のポイントだったんですねえ。
彼女の儚げで、今にも泣きそう、消え入りそうな様子には
後々、何度も!訪れる絶対絶命の危機に
「彼女のためなら~」と奮闘する男性陣
(相手役ジャック・ドリスコルや渋いぜ船長はじめキング・コング含む)も超納得なのだ。
やっぱり、男性の守ってあげたい女性像は永遠のマドンナ役だ。
しかし、アンってばあんなに密林の中を逃げ回ってるのに
膝の擦り傷だけで済んでるんだから、ある意味最強。
キング・コングの前でジャグリングしたり側転する当たりから
眼の光に強さが出て来たのにも驚き。
NYに戻って、霧の中をキング・コングの目の前に現れた彼女の美しさには
思わずハッと息を呑みました。
スレンダーで、グラマラスとは言えない体型なのも
薄手のガウンにキャミソール姿で逃げ惑ってる姿が変にエロティックに見えず、
まるで少女のようで哀れさ倍増。
でもどんなに上からカメラを向けても、胸の谷間が見えないって
ホントにスレンダーボディなのね。
その彼女と出会って、すぐに恋に落ちてしまったのが
アンの憧れの脚本家ジャック:エイドリアン・ブロディ。
俳優エイドリアンは長身細身だけれどけして美男ではないなあ、なんて
考えて見始めたら、案の定憎めないいい奴、で終わってるぞ~。
何となくERのカーター先生入ってますな。
役としてはアメリカ版ゴジラで孤軍奮闘してた、可愛いマシュー・ブロデリックを
彷彿とさせました。(←そんなのは多分私だけだろう)
確かに献身的で情けもあるけれど、あれでラストに
もう少し彼女とキング・コングとの交流をもっと二人で分かち合えるような演出が
欲しかった。
あれじゃ、彼女のために島でもNYでもあれだけ献身的だったにしろ
あんまり女性観客には同情も恋慕も起きませ~ん。
まあ、この上記二人だけなら単に
「美女と野獣、そしてその美女を献身的に救おうとするヒーロー」
で終わっちゃうんだけど
そんな単純な図式じゃなかったのね、この映画。
熱血プロデューサー、カール・デナム(演ずるは「スクール・オブ・ロック」でも
「ハイ・フェデリティ」でもいつでも暑苦しさ全開のジャック・ブラック)が
この映画の本当の牽引役。
彼の映画にかける情熱、というより栄誉獲得のための計算高さ、
強引さが他人を余計な危機に陥れ、
キング・コングをNYへ、=死へと追いやってしまう。
それも彼だけが理解しえた、キング・コングの彼女への思いの強さを
利用して。
ラストのカールの台詞に驚愕してしまったよ。
「キング・コングを殺したのも全ての元凶はあんたじゃ~ん!」ってね。
そしてこの映画の真のヒーローがベンチャー号船長::トーマス・クレッチマン!!
登場時に既にヒロインに控えめながら色目使ってますが
何だか普通にしててもセクシーな感じ。若い頃のショーン・ビーンに少々似てるなどと
上映中から友達と大受け。(笑)
いつの間にか彼の出番が待ち遠しかったのはけして私だけじゃないはず。
ま、冒険旅行に出掛ける船の船長にしてはちょっと
たくましさが足りない気もしますが
一体、何度主人公及び乗組員の危機を救いにこの人、現れたんでしょうか?
ちょっと都合良過ぎ、くらいの登場の仕方に
思わず大笑いしながらワクワク。
これでファン、増えたんじゃないかな?
(ふと思ったんだけど、お歳のハリソン・フォードに代わって
続編5のインディ・ジョーンズは彼主役でもいいんじゃない?)
それにしても「キング・コング」の予告に釣られただけで観た私は
島に上陸してキング・コングが登場するまでに1時間かかる映画だとは
露知らず。
島に上陸してからが「ジュラシック・パーク」再びだとは
更に知らず。
最近の流行だからか、愛と涙を前面に押し出したコピーに異議在りだわ。
これは「正統派絶叫映画」だもん。
TVで「ジュラシック・パーク」を観て絶叫し続け
声を枯らした(実話デス)ことのある私には
映画中盤は最高の恐竜映画だった。
あの、渓谷を暴走する草食恐竜たちの迫力や肉食恐竜に追われる恐さ。
これがまた、緩急のつけかたが上手いんだよねえ。
ここだけでもう一度観たいくらい。
一難去ってまた一難のヒロインと、
それを追うジャック他の捜索隊(撮影し続ける監督含む)の受難とが
交互に出て来て、もう凄い興奮状態に追いやられます。
しかしあの谷底の恐怖シーン(巨大な蟲やら得体の知れない軟骨動物・・・)には
正直辟易しましたな。
気持ち悪さ一杯だったけど、それよりあの執拗な撮り方に
ピーター・ジャクソンに物申す気持ちの方が勝っちゃって。
「いい加減にしろよ~!!」
監督の特権なのは分かりますが趣味に走りすぎ。
それでもあの有名なエンパイア・ステート・ビルディングに登るキング・コングを
「何故、彼は逃げられないあんなところへ上ったんだ?」と
最後に投げかけたのには参った。
どうしてかを観客はその時点でもう知っている。
その直前、アンとキング・コングが意思を通わせたあの場面の美しさを
悲しく、そして鮮やかに思い浮かばせてくれて
これにはやられた~っと思いました。
3時間10分が全然長いとは感じないほどの
なかなか良質なジェットコースター・ムービーです。
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